【希少無名】インド紅茶カングラの魅力【インド最古の産地のひとつ】

2022年8月15日

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【希少無名】インド紅茶カングラの魅力【インド最古の産地のひとつ】

2022年8月15日

「カングラ」という紅茶もしくは、地名をご存じですか?

日本では聞き馴染みのない名前ですが、実はインドでも最古の生産地の1つ。

アッサムと並ぶ古い産地であり、緑茶の生産も行っています。

 

カングラは、ヒマチャル・プラデッシュ州カングラ渓谷で作られる紅茶です。

カングラとは別に、ヒマチャル・プラデッシュとしても販売されます。

 

一部の愛好家には爆発的な人気を誇るカングラはどのような紅茶でしょうか。

今回は、カングラの魅力について、歴史も交え、お伝えします。

 

>>美味しい飲み方を知りたいかたはこちら

 

時間がない方は、まとめでざっくり理解しちゃいましょう!

この記事のまとめ

  • 希少なインド紅茶。
  • ダージリンとは兄弟のような関係。
  • かつての大地震から復興しつつある。
  • ダージリンに似た味わいがお手頃価格で楽しめる。

 

 

インド紅茶カングラの特徴

インド北部、カングラ渓谷を中心とした丘陵地で栽培されるカングラ

一部の愛好家の間では、特別な人気を誇るインド紅茶です。

 

ポイント

国内で販売されるカングラは、その多くが直ぐに売り切れを起こすほど。

 

ですが、日本国内では何故あまり知られていないのでしょうか。

 

カングラの立地

ダージリンと同様、ヒマラヤ山麗に位置するカングラ。

ヒマチャル・プラデッシュ州に所属し、ダージリンに対し、ネパールを挟み西側になります。

 

カングラ渓谷は海抜1,500mで、カングラの製茶工場も1,000m以上の高地に位置。

 

立地はダージリンと離れていますが、地形などが似ています。

気候も似ており、昼夜の寒暖差が大きく、霧が発生します。

 

カングラの歴史

カングラで紅茶の栽培が始まったのは、19世紀半ば。

インド人が中国種の茶木を植えたことが始まりでした。

 

19世紀半ばごろ、イギリスでは紅茶の中国依存を脱却したいと考えていました。

そのため、植民地のインドでの栽培が始まります。

 

中国種の茶木をインド各地に送り、栽培を試みます。

ですが、インドで紅茶の生産が激増したのは、アッサム種の発見が理由です。

 

こちらで詳しく説明しています!

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では、中国種の茶木は、どうなったのでしょうか。

実は、栽培に成功したのはヒマチャル・プラデッシュ州の隣、ウッタラーカンド州クマーウーンのみでした。

しかし、クマーウーンも産地としては成功しません。

 

ポイント

紆余曲折ありながらも、産地に選ばれたのはヒマチャル・プラデッシュ州です。

その後、1849年には茶園が作られ、大きな発展を遂げることに。

 

また、ダージリンで栽培される中国種は、このクマーウーンから運ばれたと言われています。

つまり、カングラとダージリンは東西に分かれた兄弟のような存在です。

 

緑茶も生産している

紅茶の産地としてご紹介していますが、カングラで作られるお茶のほとんどは緑茶。

中国緑茶と同じ製法で作られています。

とは言え、生産されている緑茶も少量で、紅茶はさらに希少です。

 

なぜ日本では馴染みがないのか

日本に馴染み深い緑茶の生産地であるカングラ。

日本で大人気のダージリンに近い味わいの紅茶であり、もっと人気があってもおかしくありません。

ですが、何故ほとんど知られていないのでしょうか。

 

大地震でイギリス人はカングラからほぼ撤退

大きな理由の一つが、1905年にカングラ地方を襲った大地震です。

マグニチュード7.8、死者2万人を超える大地震は、カングラの茶園をほぼ壊滅。

 

当時、茶園の経営者はほぼイギリス人でした。

大地震後、ほとんどのイギリス人はカングラを諦め、本国に帰国してしまいます。

 

21世紀に入ると、カングラを復活させようと奇蹟的に生き残っていた茶園が立ち上がります。

現在、カングラで有名な茶園ワー、フードル、マン、トーワなど、当時に生き残り、復活した茶園です。

 

カングラで作られる緑茶は中央アジア向け

もう一つの理由は、カングラのメインターゲットは中央アジアの緑茶市場のためです。

そもそも、カングラで作られるお茶のほとんどは緑茶。

そしてカングラ緑茶はアフガニスタンを中心とした中央アジアに出荷されています。

 

ポイント

中国緑茶と同じ製法のカングラ緑茶のライバルは、中国緑茶。

最初から日本人向けの味わいではありません。

 

ですが、日本に入ってこない緑茶と違い、紅茶はこの先広まっていく期待もあります。

  • ダージリンに近い味わいで、日本受けしやすい
  • カングラに残る放置茶園が整備され、拡大が進められている

生産量が増加し、もっと出荷されるようになれば、人気の紅茶として広まるかもしれません。

 

風味と水色、クオリティーシーズン

風味と水色

淡い黄色の水色が美しいです。

水色から薄い味わいを想像しますが、しっかりとした香りと渋みに驚きます。

 

ダージリンに近いフローラルで繊細な香りですが、より香ばしさが主張。

渋みとコクもしっかりとしてい、その中に甘さを感じます。

 

柔らかな甘みと渋みがマッチして、旨味を感じさせます。

個人的にはダージリンよりも繊細で渋い香りが好印象

ダージリン好きだけど、いつもと違う味わいを楽しみたい方におすすめです。

 

クオリティーシーズン

カングラのクオリティーシーズンは春先(3月~4月)。

ファーストフラッシュが最も評価されています。

 

若々しく、緑茶に似た渋みはファーストフラッシュがおすすめ。

水色が最も美しいと評判です。

 

唯一の欠点と言えば、生産量の少ないカングラで、更に希少なため、高値で取引されること。

それでもダージリンと比べ、同等かそれ以下の価格帯です。

普段ダージリンの高級茶葉を購入している方は、安くて美味しいカングラに驚きます。

 

美味しい飲み方

ストレート

希少なカングラは是非ストレートで味わってください。

特にファーストフラッシュはストレートが最も魅力を感じます。

 

ポイント

しっかりとしたコクと渋みが洋菓子、和菓子どちらにも合います。

 

アイスティー

渋みを抑えるのであれば、アイスティーにしましょう。

しっかりとしたコクはそのままに、渋みを抑えて飲みやすい味わいになります。

ただし、レモンを入れると、苦みがぶつかるのでおすすめしません。

 

これから要注目のカングラ

今回は要注目のカングラについてご紹介しました。

大地震からの復興が今でも続き、少しずつですが、ブランドとして認知もされてきています。

今後、ダージリンのように人気の紅茶となるのではと注目している紅茶です。

 

お手頃価格で味わえる今がチャンスかもしれません。

 

カングラの魅力を知って興味を持った方は、是非お手に取ってみてください!



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