スリランカ紅茶の中で、あまり聞き馴染みがないキャンディ。
如何にも美味しそうなお菓子の名前ですが、キャンディを栽培するキャンディ地方はスリランカ紅茶発祥の地であり、世界遺産・古都でもあります。
ポイント
「紅茶の神様」と呼ばれたジェームズ・テイラーが、スコットランドからキャンディの地へやってきたことが、スリランカ紅茶の始まり。
テイラーは始めはコーヒー園を始めるためにわたってきたのですが、一度は失敗し、その後、紅茶の栽培を始めたことで大成功をおさめます。
日本人が慣れ親しんだ紅茶の味わいで、世界中で愛されている茶葉でもあります。
多くのブレンドに使用されており、キャンディと知らずとも実は口にしていたという方も多いのではないでしょうか。
今回はスリランカ紅茶の原点ともいえるキャンディについてご紹介します。
流し読みされる方は、最初のまとめだけを読めばざっくりと理解頂けると思います。
この記事のまとめ
- キャンディはスリランカ紅茶の始まりの地。
- ミディアムグロウンで栽培される。
- 年間を通して安定して栽培され、生産量も安定している。
- 穏やかな気候によりいつでも同じ品質・性質の茶葉が生産される。
- 渋みが少なくまろやかな風味は、紅茶の入門として最適。
Page Contents
キャンディの特徴
キャンディの産地
スリランカ紅茶が初めて栽培されたキャンディ地方。
スリランカ中央山脈の中腹、標高600m~800m当たりに位置し、ミディアムグロウン(中産地)ティーに分類されています。
スリランカではルフナの次に低い産地となり、その標高のおかげで穏やかな気候が1年中続き、季節風の影響を受けません。
穏やかな気候は、安定した生産と品質を生み出します。
標高の低い生産地で生産される茶葉は、渋みが少なく、まろやかで飲みやすい風味になります。
1年を通して、同じ品質・性質の茶葉を生産するのはキャンディの大きな特徴です。
ポイント
キャンディ地方はローグロウンティーと分類されることもあります。
これは標高を500m~と分類するかによるため、どちらであっても間違いではありません。
キャンディの歴史
1852年、のちに「紅茶の神様」と呼ばれたジェームズ・テイラーが、スコットランドからキャンディの地へやってきます。
テイラーは、キャンディで最初の茶園を開きました。
元々はコーヒー栽培に関わっていましたが、サビ病で壊滅的な被害を受けたことで、茶の栽培に転身しました。
彼は茶の栽培に成功し、セイロンティーの歴史に大きく貢献します。
その功績を称え「セイロンティーの父」と呼ばれるほどです。
キャンディの風味と水色、クオリティーシーズン
キャンディの風味
キャンディの優しい味わいは、特に紅茶を飲みなれていない方におすすめ。
香りや渋みが控えめなため、紅茶を始めようと考えている方、渋みやえぐみが苦手という方に受け入れやすい紅茶です。
渋みが少なくまろやかな味わいのキャンディ。
優しい味わいですが、決して味が薄いとか弱いということではありません。
柔らかい風味は、様々なアレンジのベースとしても親しまれます。
香りや渋みの癖がないため、サラッと紅茶を楽しみたい場合や、デザートの風味を邪魔したくない場合のお供にも最適。
ポイント
イチオシは甘いケーキに温かいキャンディのストレート。
紅茶の風味を楽しみつつ、ケーキの味わいを更に引き立てます。
キャンディの風味
キャンディは、澄んだオレンジ色の水色。
澄んだ透明感のある輝きは特に評価されており、キャンディの大きな特徴です。
クオリティーシーズン
季節風の影響を受けない穏やかな気候により、年間を通して品質・性質の同じ茶葉が安定的に栽培されています。
いつでも飲みたいときにキャンディの味わいを楽しめるのは本当に大きなメリット。
いつでもピークの美味しさであると考えるとキャンディの魅力が伝わります。
美味しい飲み方
アイスティー
キャンディは渋みやえぐみが少なくまろやかな味わいですが、その理由は、タンニンの含まれる量が少ない為。
タンニンの含有量が少ないほど、アイスティーにした際に濁りが発生しにくくなります。
ポイント
紅茶を冷やした際に濁りが発生する現象を、クリームダウンと呼びます。
クリームダウンしても味わいは殆ど変わらないのですが、せっかくなら綺麗な水色の紅茶を飲みたいものです。
また、癖のないまろやかな味わいは、レモンや様々なアレンジティーのベースにもおすすめ。
ストレート
ブレンドとして多く使用されるキャンディですが、ストレートで味わうのもおすすめ。
飲みやすい味わいは、シーンを問わず活躍します。
私も作業中に飲む紅茶は、キャンディであることが多いです。
スリランカ紅茶の原点キャンディ
今回はスリランカ紅茶の一つ、キャンディについてご紹介致しました。
原点でありながら、いつでも美味しい茶葉を楽しめるキャンディ。
今まで聞いたことがなかった方も、是非この機会に探してみてください。
興味をもっていただけたら嬉しいです。
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